OB会会長 平先生の弔辞を掲載させて頂きました。
桑原幹夫先生、今あなたのご霊前に立ち、聖マリアンナ医科大学ラグビー部OB会を代表してお別れのあいさつを述べます。
先生と知り合ったのは40年前、1974年の秋です。1974年4月私が聖マリアンナ医科大学へ入学し、クラブ活動を何かしたいと思い、ラグビー部の練習をのぞいた時です。私は中学高校時代、弱いながらもラグビー部に所属していました。私のような小さい体で、大学でラグビーなどできないとあきらめ、なかば冷やかしのつもりでのぞいたラグビー部でした。そこで先生は私と同じくらいの体格で、懸命に練習に励んでおられました。そこで、私もラグビー部への入部を決めました。
先生はいつも一生懸命でした、ラグビーのみならず何事においても“精一杯”、前向きにという姿勢でのぞまれていました。そして“頑固”でした。1980年、私も先生と共に旧第3外科へ入局しました。5年間の外科領域の研修の後、先生は小児外科、私は呼吸器外科の道に入りました。しかし同じ第3外科医局でした。
ある日、医局のテーブルの上に沢山のお菓子が積まれていました。先生と二人で1個ずつ食べました。先生は2個目を口に運ぼうとしていましたが、私が“先生、2個は食べすぎでないか?”と言いましたが、先生は“平、今日これから1時間後には大地震、災害が起こって、このお菓子が食べられなくなるかもしれないんだ。僕はその時、あのお菓子食べておけばよかった、と後悔したくないんだ”と言い、2、3個を食べ終えました。
先生の入院を聞いたのは、今年の3月でした。肝臓を患い、経過はあまり芳しくないとのことでした。皆でお見舞いや、要に応じて聖マリアンナ医科大学病院への転院は?など相談している最中に、あっという間に、急逝されてしまいました。しかし先生はお元気な頃に、心残りなきよう、あらゆることを十分にしようと努力されてきたことでしょう。
しかし、あまりにも早すぎました。
安らかにお休みください。
ラグビー部OB会会長 平 泰彦
(2014年05月22日)